日々お店を運営していく中で、
そして2008年からお店をやっていて・・・
いや・・・修業時代からも
歳を重ねるたび、ずっと胸の中に
ひっかかっていたことがあります。
それは――
「言われないとやらない」
「言われたことしかしない」という姿勢のままで
何年も働き続ける人が、
意外と多いということです。
業務が明確に分担されている大手企業や工場なら、まだわかります。
与えられた範囲の仕事だけを淡々とこなすという働き方も、
その中で成果を出すという意味では立派なことだと思います。
でも、それでもやはり、
【自分の仕事の全体像を理解しようとする姿勢】は
どんな職場であれ、大切ではないかと私は思います。
けれど、ここは「個人店」です。
そして自分自身も
修業時代はずーと個人店で働いてきました
僕たちのような小さなお店では、
業務がきれいに分担されているわけではありません。
ケーキ作りから
洗い物、ラッピングや発送、掃除、接客まで――
すべての仕事が【つながって】いて、
お店全体を動かすためには、チーム全員がその流れに関わる必要があると思うのです。
「全部やれ」とは言いません。
でも、「全部やろうとする姿勢」は見せてほしいのです。
もちろん、すべての業務を一人で完璧にこなすことなんて不可能です。
それでも、
「私はこれしかやりません」
「これは私の仕事ではありません」という姿勢で
仕事に向き合われてしまうと、
やはり残念な気持ちになります。
たとえば、自分の作業が終わった後に
「次に何ができるだろうか」と少しでも考えてもらえると、
周りの空気もぐっと良くなります。
個人店で働くというのは、「担当をこなす」ことではなく――
「お店全体を一緒に守る」ことなのだと、私は思っています。
そして本当に求めているのは、スキルやスピードではありません。
【できるようになろう】とする姿勢です。
最初は分からなくて当たり前ですし、間違えることもあるでしょう。
でも、その中で「もっとできることを増やしたい」と思ってくれているのかどうか。
それだけで、こちらの気持ちも大きく変わるものです。
最後に、これだけはお伝えしたい。
全部やってほしいわけではありません。
でも、全部やろうとする気持ちを、少しだけでも持っていてほしいのです。
その姿勢が見えるだけで、
何度でも教えたくなるし、支えたくもなります。
助けてもらってるという気持ちも産まれるから
頼りたくもなるということです
でも、「これは私の仕事じゃない」と線を引かれてしまうと、
それ以上こちらも関われなくなってしまうのです。